眠る部品が工場を救う。KAMAMESHIが描く大崎モデルとは

眠る部品が工場を救う。KAMAMESHIが描く大崎モデルとは

おおさきオープンイノベーションピッチ2025でNTT東日本賞を受賞した株式会社KAMAMESHI。
同社は、製造業の現場から立ち上がったスタートアップです。

製造業では、設備の故障による生産停止が大きな経営リスクとなります。
しかし、設備停止の原因は故障そのものだけではありません。

交換部品が見つからないことによって、復旧に時間を要するケースもあります。
一方で、同じような部品が別の企業の倉庫で使われないまま保管されていることも少なくありません。

KAMAMESHIは、こうした課題に対し、設備部品の管理や企業間での共有を通じて、製造業が抱える設備停止リスクの低減に取り組んでいます。

市場に出回らない設備部品の情報共有や在庫管理を支援するプラットフォームを提供し、企業間での部品活用や保全業務の効率化を支援しています。

「設備停止」を地域全体で解決する発想

製造業において設備故障は避けて通れない課題です。
特に地方の中小製造業では、古い設備を長期間使用しているケースも多く、部品の調達が困難になることもあります。

設備が停止すれば生産計画に影響し、納期遅延や機会損失につながります。
KAMAMESHIが目指すのは、企業ごとに課題を解決するのではなく、地域全体で設備停止リスクを減らしていくことです。

企業が保有する設備部品や消耗品を可視化し、必要な時に相互活用できる環境を整えることで、製造業の持続的な成長を支援します。

三本木SIC東部工業団地から始まる「大崎モデル」

おおさきオープンイノベーションピッチでは、三本木SIC東部工業団地を舞台とした構想が提案されました。
構想では、工業団地を一つの企業のように捉え、共通消耗品の共同発注や設備部品の緊急確保、備品管理の共通化を目指しています。
構想の特徴は大きく二つあります。

一つは、ボールペンやウエス、ノートなどの共通消耗品を共同発注する仕組みです。
企業ごとに発注するのではなく、工業団地全体でまとめて調達することでコスト削減と業務効率化を図ります。

もう一つは、設備部品のシェアリングです。
PLCや基板、モーターなどの設備部品情報をデータベース化し、必要な企業が迅速に調達できる仕組みを構築します。

設備故障時に地域内で部品を融通し合うことで、停止時間の短縮と生産活動の維持が期待されています。

実装に向けた第一歩

2026年1月29日、株式会社SENBIZは株式会社KAMAMESHIとともに、おおさき産業推進機構工業部会において事業説明を実施しました。

説明会では、地域企業への導入可能性について具体的な議論が行われ、特に食品製造業においては設備停止リスクへの関心が高いことが確認されました。
生産ラインの停止は事業活動へ大きな影響を及ぼすことから、安定稼働を支える仕組みへの期待の大きさがうかがえました。

地域企業を横串でつなぐ

KAMAMESHIの社名には「同じ釜の飯を食べる仲間」という意味が込められています。
その言葉の通り、同社が目指しているのは企業同士が競争するだけではなく、必要な場面では協力し合える製造業コミュニティの構築です。

設備部品の共有、保全ノウハウの蓄積、人材育成。
個社だけでは難しい課題に対し、地域全体で取り組む仕組みづくりを進めています。

大崎から全国へ

KAMAMESHIが描く将来像は、大崎市だけにとどまりません。
三本木SIC東部工業団地で生まれた仕組みをモデルケースとして、全国の工業団地や自治体へ展開していく構想が示されています。

設備停止リスクの低減による産業競争力の向上。
保全技術の継承による人材育成。
地域企業同士の連携強化。

大崎で生まれたモデルが、全国の製造業を支える新たな仕組みへと発展していく可能性があります。

SENBIZでは、おおさきオープンイノベーションピッチを通じて生まれたスタートアップと地域企業の接点創出を進めています。KAMAMESHIとの取り組みもその一つであり、今後も地域企業との対話や実証機会の創出を支援していきます。

Project Information

企業名:株式会社KAMAMESHI
代表:小林 俊
設立:2023年
所在地:東京都大田区南六郷三丁目10番16号(六郷BASE内)
主な事業内容:製造業向け設備保全DXプラットフォームの運営
主なサービス:設備部品管理・シェアサービス、電気品調査サービス、定期設備保全サービス、保全技能士育成講座
会社HP:kamameshi.com

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